くっさんの切磋琢磨 ~高知競輪アナウンサーブログ~

2016年07月20日 (水)

デビューと引退

先月末に紹介しました高知の新人109期生・山本拳也選手が、先日7月10日~12日の小倉・ナイター戦で無事デビュー戦を終了し、結果は4・1・⑦と決勝進出を果たしました。準決勝戦では捲くりで同県の沖健一と高知ワンツーを決めましたが、1勝止まりで終わり動きそのものは余り良くは感じ取れませんでした。 特に決勝戦は同期生 竹内翼(広島)、野村典詞(ふみつぐ)(愛媛)の3番手の良い位置を回って優勝かな?と言う展開でしたが、全く伸びを欠いて敗れてしまいました。確かに竹内選手(完全V達成)の先行は良く掛かっていましたが、タイミングがズレたのか持ち味を出す事は出来ませんでした。2走目は27日~29日の地元戦が待っているだけに奮起を見せて好成績を残してくれる事に期待します。 そんな中、先月6月末こちらも小倉で競輪選手に別れを告げた方を今回は明記してみたいと思います。現役生活29年3ヶ月の選手にピリオドを打った「中島 茂雄(なかじま しげお)」さん59期生です。高知の競輪選手では最年長現役の和田昼善(わだ ともよし)とは同級生との間柄でしたが、残念ながら力尽きて引退となってしまいました。 中島さんは、現役時代は優勝回数は7回でしたがS級の経験は有りませんでした。しかし、私が競走で強く印象に残っているのは、強烈な捲くり追い込みで勝利を収める事でした。前団での先行争いが有ると、それを見き分けての素早い動きは実に鮮やかな回転力でした。勿論優勝の中には完全優勝も有りますが、地元戦1回のVも3連勝だとお聞きしております。そのレースは大西仁さんと秋山剛志さん(共に引退)の3番手を回って伸びての優勝だったそうです。 中島さんは、温厚な性格で誰からも好かれる人で昔で言えば「番頭さん」みたいな方でした。個人的に選手会の飲み会に良く参加させていただきましたが、宴会の終わり頃に決まって中島さんが呼ばれて、司会をする方が「それでは中島さんに中締め(なかじめ)をして頂きます」とダジャレとも言える進行で大いに盛り上がったものでした。 今後のご職業は高知競輪場内で従事する勤務を既に始めているとお聞きしました。人柄の良い中島さんですから、きっと誰からも好かれると思います。ご活躍を期待しています。 7月「デビュー」した山本選手と「引退」された中島さん、正に時代の流れを感じる話題でした。